みどりの再生
サクラの樹勢回復
井の頭恩賜公園の魅力であるサクラは499本あります(その半数の238本は井の頭池周辺にあります)。老木が多く、ボート池周辺のサクラについては樹勢回復に取り組んでいます。

〔不定根〕
樹木は樹勢回復のために腐朽(腐食により劣化した)部分や損傷部付近で根を発生させます。この根を不定根と言います。不定根が地表まで達すれば新たな栄養補給路を確保することになり、樹勢を回復させることができます。
不定根養生はこういった樹木自身の持つ自然回復力を活用し、不定根の発生を誘導することや、発生した自然不定根が枯れないように不定根の生長環境を整えて、不定根の生長を促して樹勢の回復を図るものです。
この写真は腐朽箇所を切除し、24時間以上液肥に浸したものを治療部分に貼り付けた後、通気性のある遮光シートと保護シートで覆い、シュロ縄等で仕上げたものです。遮光シートで覆うことで、水分の蒸発を防ぎ、日光の遮断と保湿機能を持たせて根の生長を促す方法です。

〔根系保護〕
浅根性である桜は踏圧に弱く、さらに土壌の固結にも弱いため、踏圧防止と土壌の固結を防ぐために設置した植え桝です。
【樹木調査】
井の頭恩賜公園の森(林)は、サクラ類、雑木林、そしてメタセコイヤやラクウショウ、カツラなど、様々な木々が、四季折々の美しい風景を演出しています。
これらの木々の状態を詳細に把握していくことが、井の頭恩賜公園の自然環境を守る上での基本となります。このため、樹木調査を実施しています。